メタルギアミラージュ


みつ様キリ番リクエスト



 
   

レンタルビデオを借りに行ったら中古ゲームが大量に安売りしてた。
その中でもけっこう前からやってみたかったメジャーなタイトルを見つけて、手にとって取ってみたらなんと980円!!
オレってラッキー!
さっそく買って持ち帰って、プレステ2にセット。コントローラーのボタンを全部使うぐらい難しい操作にやっと慣れて、さてこれから中ボス戦に入りますか!とゆーところで直江が帰ってきた。

「……おかえり……」
「何をそんなに不機嫌になってるんですか?」
「中ボス戦に入るとこだったんだよ。いいところで帰ってきやがって……」

絶対に夕飯を作らなきゃいけないわけじゃないけど、なんとなくそういう傾向になってるから仕方なくゲームを中断、セーブしてキッチンに行こうとした。

「いいですよ、続けてて。たまには出前でも取りましょう」
「え?いいの?」
「はい。メタルギアソリッドって有名なゲームなんですよね。会社でこのゲームのサークルが出来てるぐらいですから知ってます」

そのサークルってのはPSPのメタルギアを無線LANを使って仲間内で遊んだり、プレステ2のオンラインで遊んだりするサークルらしい。
会社の掲示板に会員募集の貼紙がしてあってすでに5人も入会してるそうだ。

「どんなのか見てみたかったんですよ」
「ふーん、じゃ、見てれば?」

ピザをデリバしてもらってゲーム続行。
それ以来、オレと直江はメタルギアソリッドに夢中になって毎晩二人で交代しながらシリーズ全部を制覇した。

 

 

 

ある休日、直江がクラシックコンサートに行きたいから付き合ってくれって言うから上野の音楽堂に行った。
その帰りにアメ横に寄って魚を買おうってことになった。
ゴチャゴチャしたアメ横を両手に魚屋の袋を提げて歩いてると、洋服屋に目が行った。

「直江、あれ」
「軍物のショップですね」
「なんかメタルギアの世界みたい。ちょっと見て行こうぜ」

中に入って物色してみた。アメリカとイギリスの軍隊の物が多かったけど、中にはドイツやロシアのものも。
しかも古着のコーナーには旧ソ連や60年代アメリカのもあった。

「スネークだ……」
「MGS3で着てたジャングル迷彩ですね」
「こっちはオセロットだよ。なあなあ、オレだったらどれが似合うかな?やっぱスペツナズかな?」
「……高耶さんはMGS2の雷電のスカルスーツが一番似合うと思うんですが」

スカルスーツってのは体にピッタリした全身タイツみたいなやつだ。体の線がクッキリ見える上、股間やお尻のデザインがちょっとどうかと思う微妙な強化スーツ。このエロ親父め。いつも妄想してやがったな。

「何か買ってあげましょうか?」
「……スカルスーツなんか売ってないぞ……フィクションなんだから……」
「わかってますよ」

そんなわけでオレが選んだのは普段着にも使えるオリーブ・ドラブのコンバット上下。別々に着れば立派なストリートファッションになる。
黒いのもあったけどそれはちょっと赤鯨衆にいた時の直江を思い出すからやめた。ちなみに黒いのは夜間のカモフラージュで、そう考えると赤鯨衆で直江が着てたヤツは昼間の行動じゃ1ミリもカモフラージュ出来てないことになる。
思い出すと使い道を色々間違ってたあの頃の服。ま、いいか。

「直江は買わないのか?」
「……ええ」

ん?なんかおかしな間があったな。

「じゃあ会計してくる」

それからまたアメ横散策。美味しい魚も買ったし、タコがバカでかいたこ焼きも食ったし満足満足。

「あ、ちょっと買い忘れがありました。急いで行ってきますから高耶さんはここで待っててください」
「うん」

コーヒーショップに入って直江を待ってたら、さっきの軍物屋の袋とチョコレート屋の袋を持ってた。

「チョコ?と、そっちは?」
「カバンが置いてあったでしょう?使いやすそうだったので迷ってたんですが、やっぱり一個あったら便利かと思って買いました」

そっか、それでさっきおかしな間があったのか。
チョコはオレにだってさ。

んでたくさんの荷物を抱えてタクシーに乗った。今日は安く魚介を買えたから夕飯は手巻き寿司だ。

 

 

 

手巻き寿司で満腹になって風呂に入ってから買ってもらったコンバットスーツを着てみた。

「どう?似合う?スネークみたい?」
「ちょっとスネークとは違いますけど、似合ってますよ。あんまりコテコテにするとミリタリーマニアみたいになってしまうから気をつけてくださいね」
「わかってるよ」

直江が風呂に入ってる間、それを着てメタルギアをやってみたら、まるで気分はスネークだ。いいぞ、オレ!

「またメタルギアやってるんですか?」
「うん、て、おまっ……!!」

風呂から上がった直江にビックリした。だって直江の野郎、旧ソ連の将校の軍服なんだもん!!
しかもブーツまで新調しやがって!

「似合いますか?」

似合うとか似合わないとかじゃねえだろ!いい年こいて何やってんだ、オッサン!!
買ったのはカバンだけじゃなくて将校の服もだったのか〜!!

「さ、高耶さん。ゲームはそれぐらいにして寝室に行きますよ」
「ええ?!なんで?!」
「今夜はコレで楽しみましょう。本当は高耶さんもそのつもりだったんじゃないですか?」
「ち……ちが……オレはまったくそんなことはひとつも考えてねえ!」
「高耶さん」
「うっ」

あの端正な顔で近寄られてキスされたらもうその気になってくるから始末に終えないオレの体。
コントローラーを放り出してキスしまくって、情けないほど眉毛が下がった頃に寝室に連れ込まれた。

「それ……ライコフが着てたやつだろ……」
「よくわかりましたね」
「……ライコフはホモだぞ……」
「私にはちょうどいいでしょう?」

アホか!んじゃ何か?ライコフに襲われるスネークって設定のコスプレなわけか?!
そんなの超気持ち悪いじゃんか!あ〜、考えたくない!!

「こんな美人のアメリカ兵が飛び込んできたら、ソ連の将校としては襲いたくなりますよ」
「な、なんだよ、それ……」
「むさい男ばかりの軍隊で、やっとみつけたキレイな人……」

うわ〜、すっごい妄想してる!!今日も一人で回ってる!!
なんだってオレは直江にメタルギアなんかやらせちゃったんだよ〜!

「赤鯨衆での服も高耶さんらしくて燃えましたが、今回のは更に軍色が濃くなって襲い甲斐がありますね」
「バカか……!あ、やめ……!」

首筋にキスされて股間を掴まれて。
こんなアホくさいコスプレなんかで燃えるわけないだろう!って言いたかったんだけど、オレもちょっと乗ってきたあたりが情けない。
いつもよりなんとな〜く体が敏感というか……。

「軍服の下で大きくなってる……本当に倒錯的だ……捕虜になったあなたにイタズラする将校なんて素晴らしいじゃないですか」
「……も、やめろ……バカみてえ……」
「そう言う割には足がどんどん開いてますよ」

くっそー。バレてる。
だって直江が旧ソ連の軍服なんてメチャクチャ似合ってて超かっこいいんだもんよ!
しょうがねえじゃんか!

「軍服を脱がせるのも悪くはありませんが、着たままっていうのも素敵ですね」
「えっ」
「今夜は寝かせませんよ。美しい捕虜のアメリカ兵さん」

直江も脱がないってことだよな……。てことは……う、どうしよう、興奮してきた。

「あんまり……厳しい取調べはナシだからな……」
「は、はいっ!」

オレがノッてきたのを嬉しそうにニヤけながらまたキスの嵐だ。
なんかオレ、たくさん間違ってるような気がするんだけど……いいのかな〜?

「燃えますね」
「あ……ああ、まあ、な」

もうどうでもいいや。とりあえず抱きついておこうっと!!

 

 

あれからオレはメタルギアシリーズと軍服を封印して押入れの奥に入れた。
だって目の届くところにあるとあの夜を思い出すし、直江の目がそっちモードに入ったりするんだ。
だから封印だ、封印!!
せっかく面白いゲームと出会えたってのにさ!くそ!

「高耶さん、今度は野球ゲームですか?」
「はっ!」

これじゃ何やっても直江の餌食じゃん!もうプレステごと封印だ〜!!

 

END

 

あとがき

コスプレで直江ノリノリで高耶さん引き引きで、
心のツッコミ満載でエロありで ・・・
というリクでした。
コスプレに興味がないので手近に買える
ミリタリーしか思いつきませんでした。
そして結びつけるためにメタルギアを利用。

メタルギアをやったことない人には
わかりずらい単語が出ましたが
そこらへんは適当に流してください。