新婚さん、いらっしゃい

6万ヒットリクエスト作品

ちこ様からのリクエスト



 
   


「ひとめ会ったその日から!」
「恋の花咲くこともある!って、違うでしょ、長秀!今回はパンチでデートじゃなくて、新婚さんいらっしゃい!よ!」
「あ、そうだった。三枝って言われてたからついな。しかし晴家。おまえも古いね〜」
「うるさいわね。始めるわよ!新婚さんいらっしゃいのオープニング忘れちゃったじゃないの」
「いいって、いいって。どうせくだらない新婚バカップルなんだからよ。さて始めましょうか。ワタクシ司会の安田長秀
です」
「司会の山瀬……じゃなくて門脇綾子です」
「じゃあオレも言い直し〜。司会の千秋修平だ!」

先行きが不安なこの二人ですが、司会を任せられるのがこの人たちしかいないので頑張ってもらいましょう。

「では最初のカップルは〜……直江……?」
「え!直江?!」
「だってほら、進行表に書いてあるぞ。直江信綱と仰木高耶って」
「……景虎……なんで……?」
「おおかた最後のプレゼントが目当てなんだろ。タワシでも持って帰れってんだ」

せめてイエスノー枕でも持って帰ってもらいたいところです。

「では一組目のカップルをお呼びしましょう!新婚さん!」
「「いらっしゃ〜い!」」

アノ音楽に合わせてウキウキと入ってくる直江と高耶さんです。おや、高耶さんは少し不機嫌そうですね。

「え〜……では……まあ一応決まりだから自己紹介しろや」
「おい、長秀。出演者に向かってそういう言葉遣いはないだろう」
「いいのよ、直江なんだから。で?どっから来たの?」
「宇都宮です」

高耶さんがジロリと直江を睨みました。

「オレは松本だ」
「おおう、新婚なのに別居カップルか!こりゃ面白れえな!」
「高耶さん、そこは合わせてくださいよ」
「そもそもなんでオレが新婚さんいらっしゃいなんかに出なきゃいけないんだ。いつオレがおまえと結婚したんだよ」
「昨日ってことでどうでしょう?」

どうでしょう、って直江……。

「もうどうでもいいわよ、この際。早く話始めちゃってよね」
「ふー、仕方ないな。では自己紹介から。直江信綱29歳です。家事手伝いです」

え?!家事手伝い?!

「……仰木高耶……18歳……高校生」

家事手伝いの旦那と高校生の嫁かよ!!収入はどうしてんだ!!

「そんで今日はどんなお話をしてくれんの?」
「最近の私と高耶さんの近況をお話したいと思います。先日のことなんですが、東京に怨霊退治に行きまして」
「はいはい、それで〜?」
「同じホテルの同じ部屋に泊まったんですがね、まあもちろん夜はエッチもするわけで」

ピタリと千秋と綾子ねーさんの動きが止まりました。

「あ……あんたたち、夜叉衆の仕事の合間にそんなことしてたの?!」
「かー!そんでよく景虎が眠そうにしてんのかよ!なんなんだよ、そりゃぁ!」
「あたしの隣りの部屋でそんなことを!」

綾子ねーさんは早々に頭を抱えてしまったようです。そりゃそうでしょう。
どこかから聞こえてきた男女のアノ声だと思ってたものが直江と高耶さんだったんですから。

「あーあーあーあーあーあー!!聞こえない!!聞こえないわ!!」
「ガンバレ、晴家!」

耳を塞いで大声を出して聞かないようにしていますが、これでは番組が進行しないので頑張ってもらうしかないようですね。
綾子ねーさん、耳から手をどけなさい。

「ほら!どこかから天の声が聞こえてきたぞ!耐えろ、晴家〜!」

ようやく綾子ねーさんが元に戻ってくれたので、改めて始めましょう。

「そのエッチの時の高耶さんが可愛いんですよね。耳も胸も赤くなって恥ずかしがって」
「そりゃ直江がエロいこと言わせようとするから!」
「エロいこと?例えば?」

あ、千秋がどうにか喰い付いてきてくれたようです。それナイスな質問ですね。
高耶さんも最初は嫌がってたわりに、案外楽しんでくれてるみたいです。

「だからっ、えっと、その……お、お、お……」
「奥まで入れて、とか?」
「……そう……そうゆうことを……言わせようとするから……」
「高耶さんたらして欲しいくせに言わないから。私から誘導してあげないといけないんですよ」
「誰がッ!」

おお!赤くなって恥ずかしがる高耶さんて本当に可愛いですね!
面白いのでこのまま虐めてしまうってのはどうですか、皆さん。
はい、賛成が多かったので多数決で虐める方向に決まりです。はやり日本は民主主義ですから。

「んで、景虎としてはどうなんだ?やっぱ直江が好きで好きでしょうがないわけ?それとも犬にご褒美って感じ?」
「正直に言いなさい、景虎。これはあたしたちにとって大きな問題なのよ。直江をあんたの恋人として認めるか、
それともやっぱりただの飼い犬なのか」

ひどいこと言ってますよ、綾子ねーさん。

「い……一応、恋人っつーか……」
「新婚さんですよ!私たちは!」
「だからいつ新婚になったんだよッ!」
「だから昨日ですってば!」

もうそーゆーことにしといてあげましょうよ、高耶さん。直江ウザいし、しつこいし。

「わかったよっ!新婚でいいよ、もう!ああ、くそ、何でも聞きやがれ!何でも答えてやるぞ!」

とうとう高耶さんが開き直りました。やったね♪

「じゃあ遠慮なく。景虎と直江はどんぐらいの割合で会ってんだ?デートって意味で」
「私は毎日でもいいんですが、高耶さんが週に2回までって決めました」
「ガソリン代がもったいねーだろ。おまえ定職に就いてないんだから無駄遣いするわけにいかねーじゃん」
「優しいんですね、あなたは」
「おまえほどじゃねーけどな」

高耶さん……そこまで開き直らなくても……。

「てことは、デートのたんびにエッチしてるってことか?」
「当たり前ですよ。ねえ、高耶さん。ソレしなきゃお互いに満足しませんよねぇ?」
「オレは別にしなくてもいいんだけどさ、直江がしつこく誘って来やがるから仕方なしって感じでだな」
「仕方なしで『奥まで入れて』っつーのか?ほほう」
「う……」
「長秀、高耶さんを虐めるのはそのぐらいにしておけ。この人を虐めていいのは私だけだ」
「はいはい」

いえいえ、とんでもない。高耶さんを虐めていいのはミラージュ好きのお嬢様お姉様たちもですよ。
直江だけの特権ではありません。

「高耶さんはエッチよりもキスする方が好きなようで、そこらへんが乙女だな〜と毎回思うわけです」
「なんでエッチよりもキスの方が好きなんだ?」
「だってエッチの時って直江が野獣なんだもんよ。だったらキスしてるだけの方が数倍優しいから、そっちの方が
好きになるに決まってんだろ。キスなら明るいとこでもできるから顔も見られるし」
「……そうね、景虎!賛成だわ!その意見は乙女にとって大事よ!」

綾子ねーさんもようやくノリについていけるようになりました。

「だろ?!やっぱねーさんはオレの気持ちわかってるよな〜。さすがだぜ」
「当たり前じゃない。200年も女やってるんだから。あんたの気持ち、この綾子ねーさんが受け止めたわ!」

どうやら乙女チームと野獣チームで意見が別れたっぽいですね。
直江と千秋がこの二人を不満げに見ています。

「しかしな、晴家。高耶さんだってエッチの時は私以上に野獣になることもあるわけだが」
「え〜?景虎が〜?まっさかー」
「×××の時なんか絶対に私の×××を離さないと言ってずっと××んでるし、自分から×××を差し出して
直江×××がもう×××できないとか、×××を××て、もっと××××××して欲しいとか」
「わーわーわーわー!!」

あーあ、直江言っちゃった。

「そんな……景虎が、そんなことを……」
「……景虎……おまえって、そーゆーキャラだったのかよ……」

こりゃ誰しも引きますわな。高耶さんも男の子だからね〜、しょうがないっちゃしょうがないんだけどね〜。

「なんかもうおまえらの話聞くのが嫌になってきたなぁ」
「あたしも……」
「そう言わずに聞かんか。まだまだ予定の時間は終わってないぞ。ADさんも伸ばせってカンペに書いてるじゃないか」
「……わかったよ、聞くよ、聞きますよ。違う意味で椅子から転げ落ちたくなってきたぜ」

今回の千秋の椅子は三枝と同じようなコケやすい椅子になっておりますのでご安心ください。
なんら危険はございません。

「直江……てめえ、そんなことまで言いやがって……コロスぞ……」
「仕方ないでしょう。この番組はこういう話をするところなんですよ」
「違うと思うんだけど……」

はい、違います。そんなエロい話をする番組ではありません。

「気を取り直して、質問再開だ。そんでこれから先はどーすんだ?同居すんのか?」
「ええもう!よくぞ聞いてくださった!高耶さんがまだ高校生なのですぐというわけにはいかないんですけど、卒業したら
東京近辺で一緒に住みます!兄がいい不動産を見つけてくれるって約束になってるので、楽しく愉快な新婚生活の
スタートが切れるって寸法です!」
「景虎はそれでいいの?」
「んー、まあ、全部直江が金出すって言うから、だったらいいかなって感じだな」
「あたし、遊びに行くわ!毎日!」
「あ、俺も俺も!つーか住んでもいいぜ!」

この千秋の発言に神経を尖らせたのは直江だけじゃありませんでした。

「「絶対にダメだ!」」

高耶さんもです。

「私と高耶さんのラブラブライフにおまえなんぞを加えるわけにはいかん!」
「そうだ!オレは誰にも邪魔されないで直江とイチャイチャしたいんだよ!」

本音が出ました。

「……景虎……?なに、イチャイチャって単語……あんたの口から出る言葉じゃないわよ……」
「あ!」
「は〜あ、結局直江もおまえもベタベタに惚れてんじゃねーか。バカくせえ」
「当然だ。ふふふ」
「カットしてくれ、カット!今のオレの発言、カット!」
「いいじゃないですか、高耶さん。お互いに愛し合ってるんですから」
「ヤダー!!恥ずかしいー!!」
「まあまあ」

これ以上撮影しててもアホくさいと思ったのか、ディレクターさんが収録をやめてしまいました。
もうちょっと見たかったですね。

その後、このバカップルはパネル合わせでイエスノー枕と海外旅行と電子レンジを獲得して帰りました。
直江が狙っていたのはイエスノー枕だったのでちょうど良かったらしいんですが、高耶さんが狙っていたのは
サイクロン掃除機だったので残念そうに帰って行きました。

また出場してくださいね〜!

 

 

END

 

あとがき

ちこ様からの6万ヒットの
リクエストは
「新婚さんいらっしゃい」でした。
ちょっと毛色を変えて
実況中継風にしてみました。

リクエストありがとうございました!