同棲したのに! 第三話 虚実の衝撃 |
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こないだは失敗したけど、今回はうまくいく自信がある。 話は一昨日に戻るぞ。 「どうしたんですか!」 直江に立たせてもらったはいいが、歩くことはできなかった。どうやら捻挫したみたいだ。 「歩けませんか?じゃあ、すいませんが失礼して」 そう言ってオレを抱っこした時!!! 微妙な誘惑よりも、マッパの方が直江は好きなんじゃねーのか?!それがわかったらこっちのもんだ。
つーわけで、オレがマッパになるのは風呂オンリーだから、狙い目は風呂だな。 「おーい」 風呂場から直江を呼ぶ。まだ捻挫はぜーんぜん良くなってないからあいつは呼べばすぐにどこにでも来る。 「なんですか、高耶さん」 部屋着の袖と裾をまくって、直江は風呂場に入ってくる。 「バスタブに入りたいんだけど」 そんで抱っこだ。 「やっぱ入るのやめた」 抱っこしたまま直江が固まった。直江の眼下にはマッパのオレ。抱いてる腕にもオレのスベスベの素肌。 「あの、高耶さん…」 首に腕を巻きつけて、しがみつくようにしてスリスリした。 「無理して抱き上げた私の身にもなってくださいよ。腰が抜けそうなんですけど」 ずどん。 オレはバスマットの上にケツから落ちた。 「どわー!!!」 痛さで口が利けずにパクパクやって、涙がとめどなく溢れてくる。 「高耶さん、しっかりして!」 おまえがやったんだー!! それから直江はなんと《力》を使って念動力で自分の腕を支えて、オレを抱っこして、オレの、オレの!寝室に運んだ! 「痛い〜」 あれ?いいんじゃないか? 「これはまた…たいした…ププッ」 がーん。 「湿布を貼っておきましょう…プププッ。湿布貼ったら今度はミニ座布団みたいです」
「そんで、直江。捻挫した時、オレを抱き上げて目を逸らしたのはなんでだ?本当は反応したんじゃないのか?」 あったよ、白髪。一本だけチョローっと。 今回も負けだ。 「やっぱいーでぃーじゃねえの?」
くそう!!捻挫が治ったら襲ってやる〜ぅ!!
END
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あとがき 可哀想にね。 高耶さんはまだ直江が本気で禁欲してる なんて考えられない様子です。 毛の中に白髪なんて 高耶さんファンの皆様には 平謝りです。 土下座。 |
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