にゃおえ。
私が胎児換生をし、景虎様のおそばについたのが2歳。(景虎ちゃま。参照)
「へい、らっしゃい!こちらに牛鍋一丁!…って、おい、直江。なんで俺がおまえんとこで働かなきゃなんねーんだよ」 長秀は直江の牛鍋屋で店長として働いている。もちろん長秀のことだから成人換生をしたため、景虎や勝長、晴家とは違って子供になるという体験はしない。 「それより景虎様から思念波は来たのか?」 晴家はとっくのとうに換生して、今は女学生だ。たまにこの店にタダ飯を食らいに来る。 「さーてと、そろそろ閉店だな」 長秀が店じまいをしようと暖簾を片付けようとしたところに、小さな子供が迷い込んで来た。 「腹が減った。にゃにか食わちぇろ」 ずいぶん横柄な子供だ。ずずいと入ってきて、上がり座敷になっている席へと勝手に座った。 「ここはキミのような子供が来るようなところではないんだよ。帰りなさい」 何だ?今、何と? 「おまえはちゅじん(主人)にめち(メシ)も食わちぇられないのか?」 長秀が笑顔でその子供抱き上げた。 「じちゅはわけがあってな…生まれて間もなくかどわかちゃれて、じゅっと横須賀で育てられておったのだ。ほれ、異人に売るとかにゃんとか言う、アレだ。それでこのままではマジュイと思って、おちゃない足ながらも《力》をちゅかいながらここまで来たというわけだ」 ようやくこの子供が景虎様だということを直江は理解した。ちょっと遅かったようだが。 「せっかくですからお子様用の牛丼というものにしてはいかがですか?」 直江自ら子供用の茶碗に飯を盛り、その上に牛鍋の中身を乗せて箸を添えて出した。 「どうぞ。私の代になってから考案した牛丼です。なかなか売れ行きはいいんですよ」 嬉々として箸を取り上げようとした直江に危機感を覚え、景虎はしっかりと箸を握った。 「すぷーん、とかいうのはにゃいにょか?」 余計なことを、と長秀に向かって視線を投げた。 それにしても景虎様は可愛いお子さんに換生したものだ。 「そんなこと、この私が許しませんから!あなたをお守りするためなら、この直江信綱、命を懸けて異人の国へ参ります!」 そこは小さいながらも景虎である。 「か、か、げとら、さま〜…」 床に這い蹲る直江を見た長秀はそれを踏みつけにし、景虎にスプーンを渡した。 「晴家はどうちている?」 直江を置いて二人は勝長の元へと向かった。 「くう…景虎様…お小さくても相変わらず居丈高でいらっしゃる…そこがまた魅力的なんだが…」 その時、奥から勝長の大袈裟な咽び泣きが聞こえてきた。景虎に会えて感激しているのだろう。 「私も感激なんですよ!景虎さま〜!!」
その後、あの牛鍋屋に可愛い丁稚さんが入ったと噂が立ったが、しばらくして丁稚ではなく新しい主人だという噂も立った。
END
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あとがき
なんとなくオチがイマイチ。
直江が大人で景虎様が子供だったら
何をされるかわかりませんが
景虎様は常に最強なので
ご安心を。
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