メチャ短ギャグ

   
 




※先に謝っておきます。ごめんなさい。



 
         
 

我は弥勒菩薩。破壊を司る神。

有を無に、無を有に。

この世のすべてをことごとく破壊する。

まずはこの地球を跡形もなく破壊するべく遣わされた。

この掌の中の地球を。

 

 

「コラ、譲ちゃん!それはパパの大事な地球儀でしょう!メよ!」
「バブー!」

我が手の中の地球は一人の女性(にょしょう)によって奪われた。

「パパの大事なものなんだから、触っちゃダメよ」

邪魔が入った。
仕方がない。次はこの生き物を握りつぶしてしてやろう。

「バブッ」
「あらあら、アヒルちゃんが気に入ったの?でもそんなに乱暴にしたら壊れちゃうわよ」

この生き物、アヒルちゃんとやらは握り潰してもピーという音をさせるだけで、形はすぐに戻ってしまう。
それに死ぬこともないようだ。
面白くない。

「ブー」
「どうしたの?ご機嫌斜めね。おねむなのかしら?それともおっぱい?」
「アブー」

さきの女性に丁寧に抱え上げられる。当然だ。我は弥勒。人間は我を崇め奉らねばならない。

「おっぱいかしら。さあどうぞ、お腹いっぱい飲みなさい」

目の前に乳が現れる。乳には聖性がある。我にとってなくてはならん食である。

「たくさん飲んだのね〜。はい、ゲップしてくださいな」
「ゲフ」
「いい子でちゅね〜。ん?おねむ?ママが抱っこしててあげるからおねんねしましょうね」

いくら弥勒でも腹も減れば眠くもなる。ましてや今は人間の姿をしてるのだ。
いたしかたあるまい。今は寝るとしよう。
目が覚めたらまた破壊の限りを尽くすべく。

「バブ〜」
「ねんねんころりよ〜おころりよ〜」
「バ……ブ〜……」

我は破壊神……弥勒……菩薩……なり……むにゃむにゃ……。

 

 

我は弥勒菩薩。破壊を司る神。

有を無に、無を有に。

「コラ、譲!またパパの地球儀をオモチャにして!昨日ママに叱られたばかりだろう?」
「バブー!!」

輪廻はめぐる、永久に。ただ永久に。

 

END

 
   

赤ん坊の頃に
目覚めていた弥勒様。
この後ウンザリして
力を封印したと思われます。

   
   
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