奥様は高耶さん |
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今日は直江とイチャイチャしまくれる日曜日だ! そんなわけで朝から昼までくっついたり、膝に乗ったり、寄りかかったり、甘えたりして過ごしてるうちにお腹がグーっと勢い良く鳴った。 「腹へった……」 それに簡単だしな!直江とイチャイチャできる時間をなるべく多く取るんだ! ナスとインゲンとミョウガと鶏肉を煮てそうめんツユにした。薬味はネギとシソ。 昨夜の残り物とそうめんでお昼ご飯。 「お昼時だから千秋かな?」 どうせ千秋だろうからインターフォンには出ないでそのまま玄関に行った。 「……お義母さん……!!」 なんで?!急に?!それともオレがお義母さんが来るの忘れてた?! 「こんにちは」 玄関ドアを大きく開けてお義母さんを中へ。この暑いのに今日も着物だ。そして今日も無愛想。 「義明は?」 お義母さんがスリッパを履いてリビングへ行くと、直江のビックリした声がした。 「お、おかあはん!」 ちょうどそうめんを啜ってたとこだったからおかしな声と顔で驚いてた。せっかくの男前が台無し。 「なんです、急に」 そっか!そうだった!勧めなきゃ! 「すみません、お義母さん!そうめんと昨夜の残り物だけど食べてってください!」 うわ〜。こえ〜。相変わらず高圧的で嫌味ったらしいな〜。 お義母さんの分を器によそって出した。これだけで済むなんてそうめんはラクチンだな〜。 「それでお母さん、今日は何か用でもあったんですか?」 これか……母さんが妊娠してるのが不謹慎とかそーゆー話かな。……妊娠不謹慎……駄洒落かよ!! 「具合はいいの?」 順調すぎるぐらいで、専業主婦同士楽しみましょうとか言って毎日のように昼飯を食いに来てる。 「……年の差19歳ねえ……いくらなんでも離れすぎね。親子ほど年が離れてるじゃないの」 だからって生まれてくるんだからしょうがないじゃん!文句あんのか!! 「だからね、あなたにお願いしたいんだけど」 そうだそうだ〜!!いいぞ、直江、もっと言え〜!! 「だいたいお母さんは高耶さんを何だと思ってるんですか!私の奥さんなんです!大事な大事な奥さんなんです!それをいつもいつもないがしろにして!」 がーん!!やっぱりそうか……わかっちゃいたけど……こうもハッキリ言われると傷つく……。 「う……うう……」 ポロリと涙が零れてしまったから、オレは急いでダイニングを出て寝室にこもった。 「高耶さん!」 寝室のドアを開けて直江が入ってきた。心配そうな声でオレを呼ぶ。 「泣かないで、高耶さん!母の言うことなんか本気にしちゃダメです!」 ギューしてもらって少し泣いて、それからチューした。 「なおえ……」 ハーフパンツの中に入ってきた手がピタリと止まった。 「……そうでした……まだ母がいるんですよね……ええと……追い出してきますから、続きしましょう」 乱れた服を調えながら直江が寝室を出て行った。なんか少し心配でドアから出て階段の上で聞いてたら。 「……なあに、その格好は。みっともない」 どうやら直江の乱れたシャツのことを言ってるらしい。さっきと違ってボタンもいくつか外れてたからな。 「今日はもう帰ってください。私の奥さんを泣かせたんですから。それと高耶さんの弟のことですけど、私は自分の息子のように可愛がるつもりですから、積極的にこの家にも来てもらいますし、預かったりもします。それをお母さんにとやかく言われる筋合いはありません。もし言うならばお母さんこそ来ないでください」 こっちのセリフだっての。まあ!なんてお義母さんかしら! 「わかりましたよ、帰ればいいんでしょう。まったく、息子も息子なら母親も母親ね。19歳も離れた弟を産む気でいるんだから」 うん、それはオレもそう思う。でも母さんとオレを一緒くたにしないでくれ。 「お母さん!」 そんでお義母さんは帰っていった。何しに来たんだかな。 「あ、高耶さん」 う〜、直江ってなんでこんなに優しいんだろ。ステキな旦那さんだな〜。 「というわけで続きしましょう」 さっきの燃え上がった気持ちのままロマンチックなこと言ってくれさえすれば続きしようとも思えるのに。 「それにまだ昼飯の途中だったろ。そうめん、茹で直すから食べようぜ」 だけどやっぱりラブラブ夫婦なのは変わらない事実で、昼飯が終わってイチャイチャしてたら盛り上がってきて寝室でお楽しみになった。 またもやマヌケな玄関チャイムの音がした。 「無視しましょう……」 あれ?そういえば玄関の鍵って閉めたっけ?お義母さんが出てってから閉めた記憶がないぞ? 「高耶〜?いないの〜?」 玄関から声がした。 「直江ッ」 素早く服を直して廊下に出た。直江はまだ股間が収まらないとかで出て来られない。 「母さん、どうしたの?」 そんで母さんは不敵な笑みを浮かべてこう言った。 「もしかしてお邪魔しちゃった?」 う、バレてる。 「やっぱり?あんたたちって本当にラブラブねぇ。お母さんとお父さんと同じぐらいラブラブかしら?」 オレたちの方がラブラブだ!と言いたいのをぐっと堪えてデリカシーの欠片もない母親を睨んだ。 「なあ、母さん。19歳違う弟ってどうなわけ?やっぱ普通の人から見たら恥ずかしいもんだよな?」 オレですら母さんが妊娠した時に「恥ずかしい」と思ったくらいなのに、別にいいじゃないって……。 「いらっしゃい、お母さん」 ああ、オレたち墓穴掘った……。 「……お、お母さん……そういう話は胎教に良くないですからやめませんか?」 なんでそこで直江は「高耶さんはエロい子なんかじゃないですよ」とか言わないんだ! 「そういえば水羊羹がありましたからお出ししますよ」 大きなお腹を抱えて母さんがソファに座った。この中に弟が入ってるのかと思うと嬉しいんだけど、やっぱり他人から見たら恥ずかしいものなのかとちょっと思う。 「聞いてよ、義明くん」 冷蔵庫から水羊羹を出して皿に盛った直江が戻ってきたところで、母さんがチクりを入れた。 「高耶ったらヒドイのよ。19歳離れた弟が恥ずかしい、だなんて」 待て!その話をしちゃうのか?!それちょっとヤバいんじゃないの?! 「直江!」 母さんが興味津々になってきた。オレの隠し事を全部知っておきたいってゆー家族の特性をわかってない直江。 「母が私と30歳も年齢が離れた弟なんか恥ずかしいから、この家には入れないでくれって言うんです。でも私にとっても大切な弟ですからね、そんなことは出来ないときつく言っておきました」 直江としては母さんにゴマをすってるつもりだろうが、それだけで済むような母親じゃないってことをいまだに理解してない。 「そういえば、義明くん」 ニヤリと笑った母さんの顔が怖かった。胎教に悪いどころかこっちの神経にまで悪いっての。 「それがどうかしましたか?」 ステキって……なんだその意味深な発言は……。 「じゃあ義明くんのお母さんはお坊さんの奥さんなのに4人も産んだってことね?しかも長男と末っ子で12歳違い、と」 ああ、直江が危険に晒されてる!!母さんの怒りの矛先が直江になりませんように!! 「いつでも相手になりますわよ、ってお母さんに言っておいてね、義明くん」 やっと直江もこのヤバさに気付いたらしい。 「じゃあ帰るわ。水羊羹も食べたことだし、いい情報も頂いたことだし」 あ〜あ。
母さんが帰ってから直江が後悔しきりな顔つきでオレに訴えてきた。 「どうなるんでしょう、私たち夫婦は……」 ゲンキンにもエッチと聞いてすぐに立ち直った旦那さんの手を引いて寝室へ。んで今度こそ愛の営みを。 「高耶さん……」 チューして3度目の正直、エッチへ突入。 「弟生まれたらオレたちの子みたいに可愛がろうな?」 胎教なんか関係ないオレと直江は思う存分エッチに励んだ。
この続きはオレの誕生日の話に続くんだ。中途半端で終わってごめんな。 じゃあ7月23日まで待っててくれよな!
END
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あとがき |
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